政務活動費約７２０万円を支出した政策チラシの架空発注疑惑に揺れる神戸市議・橋本健氏（３７）が、所属する自民党・神戸市議団に辞職する意思を伝えたことが２８日、分かった。同日午前に神戸市議会で行われた各会派の代表者会議で、自民が議会報告した。橋本市議は明日２９日に辞職願を提出する。

【写真】車内で厳しい表情を見せる橋本市議

同市議団は橋本氏に対し、この日までに事実上の辞職勧告を行っていた。一連の疑惑を全面的に覆す証拠を示しての反論を行うか、潔く身を引くかの決断を迫り、回答期限を２７日深夜に設定していた。

橋本氏は２３日発売の週刊新潮で、公費である政務活動費約７２０万円を使い２０１０年から５年間で８回、計５６万部を発行・配布したとしていた政策チラシ「ハシケン通信」に関して、架空発注の疑いが報じられた。

２３日に会見した橋本氏は「架空発注ではない」と否定した。しかし、その後に橋本氏が政策チラシのデザインを依頼したと説明していた神戸市の業者が、代理人弁護士を通じ、橋本氏の依頼で実態のない領収書を渡したと主張。さらに橋本氏から疑惑を否定するよう指示され、口裏合わせを求めるかのような「想定問答」がメールで送られてきたとし、その全文を公表していた。

橋本氏は７月に今井絵理子参院議員との不倫疑惑が報じられ、この際は、両者とも同宿した事実などは認めながら「一線を越えていない」などと弁明。釈然としない「一線－」フレーズが話題となる中、新たに公金を巡る疑惑浮上後は、わずか５日で陥落した。